屋根裏の街
肌が浅黒く、背の高い爽やかな少年が汗を飛ばしてバスケをしている。練習の後、タオルを持って駆け寄る私。
「松宮くん、おつかれ!」
「おぅ、サンキュー」
私の手渡したタオルで汗を拭う。そして私は体育館裏の草むらに連れて行かれた。
「あぁん、ダメだよ。こんなところで」
「がまんできへん…」
松宮くんの唇が私の唇を覆う。滑らかな熱い舌が私の唇をこじあける。
「こんなの、初めてぇ」
「…すっげぇ可愛い…」
柔らかな風が頬をなでる。
「俺だけを見といてくれや…」
「…うん」
私は夕焼けの下、うっとりと目を閉じた。
「山口らのことなんか気にせんくてええからな」
「え…」
「あいつらただのアホやから」
「だけど…」
「お前のこと、妬んどるだけや。俺が守ってやるからな」
「松宮くん…」
たくましい身体に身をゆだねる私。放課後のチャイムが遠くの方で鳴っているような気がした。
「スキ…」
「俺も…スキや」

下半身に手を伸ばすとジットリと濡れていた。性欲盛んなお年頃。きっと妄想だけで年老いていくんだ。
「あ…はぁん」
どこからこんなカワイイ声が出て来るのか分からない甲高くて細い喘ぎ声が出た。私の太い指が激しく動く。目を閉じてドスンバタンと腰を浮かせながら松宮の事を考えた。少しの罪悪感と高ぶる興奮。イッてしまえば虚しさだけが残るのに。
あと少しでイク…という時、ふと板張りの天井が動いた。とりあえずイッてしまいたかったけど、指が止まって気持ちも冷めてしまった。何とも物足りないまま、ガコンと一瞬動いた天井をぼんやりと見つめた。
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