~Snow White~『一巻』
「キレイ~」
すれ違った人が言った。


「このお花
アイスバーグって言うんですよ。」

私はついつい答えた。


私の姿を見つけて
智久が慌てて駆け寄ってきた。


「すごい花束だな。」


「母が大好きな花なの。」


後部座席に大事に入れてくれた。


「きれいだったな~」


「店員さんもさっきすれ違った人も
そう言ってたよ。」
シートベルトをつけた。


「雪湖が・・・だよ。
雪湖がこの花を持つと
不思議によく似合うな・・・・・
花屋の店員は男だったか?」



「え?女の人だよ。」



智久は突然キスをした。


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