~Snow White~『一巻』
「男なら許さないとこだな」
唇を離して
智久が笑った。


うれしい・・・・
やきもちやいてくれた


私はハンドルを持つ手に
そっと触れた。


「大好き・・・・」



「あたりまえだろ?」
智久の笑顔がご褒美だ。



しばらく走り出して
「真冬どうしてた?」


「ぼーっとしてたけど・・・」


「困ったもんだな。」
大きなため息をついた。



「もうそろそろ離れるかと
思ってたけど・・・・」


「真冬さんは恋してるのよ。
私と同じ・・・トモに・・・・」



「恋?俺は憧れだけだと思うけど
それから小さい頃からの
執着心で・・・あいつは思いこんでる。」


あの目は恋してる目よ

そう言いかけてやめた。
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