~Snow White~『一巻』
美容師が興奮していた。


「こんなきれいな髪の毛
ばっさりいくのは初めてだ。」

茶髪の男の人は
大げさに言った。


「いいの?ほんといいの?」


「はい、もうバッサリやってください。
その代わり可愛くして。」


「いや、雪湖ちゃんは
もとがいいからどんな髪の毛も
きっと似合うよ。」



バサ・・・・ バサ・・・・


鏡の私は変わって行く・・・・
髪の毛は肩のあたりでそろえられた。



一緒に縛っていた
前髪を眉毛で切りそろえられて


鏡の中にいるのは
別人だった・・・・

そしてそこにいるのは
母にそっくりな私だった・・・・。
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