~Snow White~『一巻』
心臓の音が飛び出そうだった。



部屋から笑い声が聞こえた。



「吉沢さんが来ないと大変です。」
女の声がした。



「ごめん、わざわざ・・・
明日まで仕上げないといけない書類だったんだ。
助かったよ・・・」



「なんのための秘書課ですか?」



「助かるよ、ほんと・・・・
さっきやっと起き上がれたんだ。
ここまでやってくれてたら
ほんと助かる。ありがとうな。」



「社長のお宅に住んでると聞いてたんですけど?」



「これも内緒にしておいて。
俺の秘密の城なんだ。
知れるとうるさいから・・・・」




「わかりました。
では、私はそろそろ・・・・」


私は慌ててエレベーターで下に降りて
エントランスに隠れた。
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