~Snow White~『一巻』
美春はカールした髪の毛を
上にあげて
とても可愛かった。


「美春さん、可愛いわ。」


「え?あ・・ありがとう」
美春は笑った。


さっき買ってもらった洋服に着替えて
最後にメイクをしてもらった。



「もとがいいから・・・・
メイクの仕方でいろんな顔に
なれるんだね~
芸能界にでも行けそうだよ。」



「そんな・・・
こんなメイクとか初めてで…」



「やりがいのあるお客さまだよ。」


上手いお世辞が心地よかった。


いつもTシャツと
色あせたジーンズで
おこづかいの中でそろえていた。
オシャレなんて考えもしてなかったから

誕生日に智久に買ってもらった
白いワンピースだけが
私の宝物だった。


智久のクリスマスは
私との時間はないんだろうか・・・・
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