~Snow White~『一巻』
握手をした。


「やわらかい手だね・・・・
なんだろうこの感触は・・・・」


稔の目が潤んだ・・・・
「稔さん?」


「あ、ごめん、ちょっと妹を
思い出してたんだ。
君と死んだ妹が重なって・・・・
ごめん、迷惑だね。」



「いえ・・・
実は私は、父と重なってました。」


「おとうさん?」


「顔は全く違うけど
話し方や笑い方が・・・
遠い記憶の父に重なってしまって…」



「じゃあ、私たちは
お互い同じ気持ちだったんだね。」



「そうみたいです・・・。
私のこと妹さんだと思っていいですよ。」



「ありがとう。
お礼におとうさんだと思ってくれていいよ。
本当は、恋人がいいけど…ね。
またウザイこと言ったね。」


稔の大きな手はなぜか
冷たかった。


「雪湖ちゃんは温かい手をしてるね。」
そう言った。
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