~Snow White~『一巻』
「私もずっとあなたが好きだから…」


「千秋?何を言ってる?」



「ずっとあなたを静かに
想ってきたから・・・・・
だからわかるの・・・・・。
あなたの心が・・・・・。」


心臓がバクバクしてきた。



「あなたを愛してるから
誰にも言わない・・・・・。」



「ちょっと待って、
何を言ってんの?」
智久が慌てている・・・・・



何を知ってるんだろう



「あなたの存在が罪だよ・・・・
私たち姉妹は
あなたと愛し合うことが
生れてきた時からないんだもん。
なのに毎日毎日あなたを見ている
私たちは毎日が幸せでもあって
地獄でもある・・・・。
叶わぬ恋に我慢するか我慢できないか
そこが姉妹の違いだけど・・・・
卒業したら私ここを出るから・・・」


千秋の涙がこぼれた。


智久は立ち上がって
千秋を抱きしめた。


「ごめん、何も知らないで。」


千秋の声が大きくなった。
智久は天井を仰ぎ目を閉じた。
そして優しく千秋の髪の毛を撫ぜた。
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