~Snow White~『一巻』
「トモくん、トモくん・・・」

私が出かける時
智久の部屋に真冬が入って行って
寝ている智久を起こしていた。


「ん?なに・・・・」
寝ぼけた声を聞きながら
くつをはいていた。



「今日、誕生日なの、覚えてる?」


しばらく間があって



「え~~!?
そうだったか?
もうそんな日だったか!?」



大きな声がした。




「マジ?うわ~~最悪
ごめん、すっかり忘れてたよ。
ずっと忙しくてさ・・・」

慌てている


「やっぱり・・・」
少しさびしそうな真冬の声・・・・


私も予想通りの言葉を聞いて

いってきます
今夜は帰らないから・・・

そう呟いた。
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