~Snow White~『一巻』
稔の迎えによこした車に乗り込んだ。


美春に頼まれたものを
届けながら

泊りに行くことになっていた。

伯母が
「美春が最近あなたと会うのが
不思議だけど・・・・
主人には友達のところに
遊びに行くと言っておくから…
とても美春の名前を出せないもの。
じゃあ、これが美春に頼まれたもの。」


家の近くの和菓子が大好物の
美春に頼まれて伯母が買ってきた。



「そのお菓子
そのまま私からだって
おじさまに渡してね。」


嘘をこんなについていいのかな


だけどどうせ
忘れられたうえに真冬が優先の
誕生日だから

私だけを祝ってくれる
稔に甘えたいそんな気分だった。
< 253 / 323 >

この作品をシェア

pagetop