~Snow White~『一巻』
「もちろんいいですよ。
私は稔さんに何も返せないから・・・
それで喜んでくださるなら
嬉しいな・・・。
この洋服もエステも・・・・
素敵なお部屋で食べるディナー
それから・・・・・・」



私はアイスバーグの花束を抱きかかえた。


「この花、大好きなんです。
嬉しい・・・・。」


「雪湖ちゃんは白バラが似合うよ。」


「両親が生きていた時
庭にたくさん咲いていたんです。
母が大好きで・・・・
『雪湖の心もこのバラのように
真っ白でキレイなのよ。
いつか愛する人が現れた時
その人にだけ
違う色で染めてもらいなさい。』って
口癖だったんです。」



「そうなんだ・・・・
雪湖ちゃんのママは美しかったんだろうね。」



「記憶が消えつつあるけど
母は美しい人だったし
真っ白の肌がアイスバーグの
ようだったって
庭の手入れを手伝いながら
母のように美しくなりたいって
そう思っていたんです。」
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