~Snow White~『一巻』
「それでおまえは
雪湖を孤独に追いやる俺たちを
恨んでいたんだな?」


「恨むというより絶望でした。
竜さんは俺のあこがれだったから
なぜこんな小さな子を
ここまで蔑にできるんだろう
理解できなかった。
優しい姉が
どうしてそれをとめられないって。
雪湖にしてきたことは
大柴家にとっては
犯罪だと思っています。
いくら住むところ
教育を与えたところで
その見返りに孤独と労働を与えた
この10年間は・・・・・
俺の尊敬する竜さんの
裏の一面を見てるようで
辛かった。
だから俺だけは雪湖に優しくしたかった。」


「あのとき
洗顔と乳液を買ってあげたのも
やっぱりトモくんなんだ?」


千秋が言った。
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