~Snow White~『一巻』
「どうしてトモくんのお部屋
雪湖ちゃんの隣なの。」

部屋の準備を始めたら
真冬がごねた。


「いつもそこだっただろう?
今はたまたま雪湖がここにいるだけで
部屋もそこしかないし。」


「だって・・・
私だってトモくんの隣がいい。
じゃ、雪湖ちゃんと変わっていいから。」



あのおおきなバルコニーのあるお部屋


耳をダンボにして
食器をかたづけていた。


「あ~~ん
だって~~ずるい雪湖ちゃん。」


少しいい気味だった。
意味はわからないけどなんでも
手に入る真冬がいら立つ様子がおかしい。



「トモは勉強しないといけないからな。
おまえがしょっちゅうくると
集中できないだろう。」
さすがに父もあきれ顔だった。
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