だって、愛してる
「こってりしぼられた…」
「自分ずーっと窓の外見てたやん」
「そんなずーっとちゃうよ?!
ちょっとやもん、ちょっと…」
「教科書7ページぶんって
ちょっとなんや?初めて知ったわ」
「………」
「なに見てたん?」
数学の時間の後、
友達のノートを写しながら。
確信を突かれあたしは思わず
あからさまに言葉を濁らし、
誤魔化すように
「あんたyの書き方きもちわるいな」
とか言いながらシャーペンを走らせた。
「わかりやすすぎ」
フッ、と笑いを零した友達の顔を
見ないよう、更に言えば見られないよう、
ノートと顔の距離を詰める。
カリカリと速度を速める右手。ノートの字が雑になる。