だって、愛してる





「ねぇ、」
「あ?」


「あたし達ってミラクルやねんで」




君は眉をしかめ、
正にわけがわからんっちゅー顔をしていた。

それがおかしくて不細工で、
あたしはうりうりと
ほっぺたを引っ張ってやる。



「やめぃ」と払われる。
「頭おかしなったんちゃうん」と罵られる。


そんな瞬間も愛おしい。と感じる。
あぁ、感覚が麻痺してるのかもしれない。







「ねえ」
「せやから何、」





「あたしのこと、
 好きになってくれてありがとう」








嬉しいな、
嬉しいよ。



この広い広い世界でちっぽけな
誰かの思いが誰かに伝わることなんて、
数える程しかないんだ、きっと。




あたしが一生懸命、一生懸命、
送った思いを、君が拾って
形にしてくれたんや。



ありがとう、ありがとうね。



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