サンデー。

いつからだったかは、覚えてはいないが、全員が揃う日曜日の夕食は崩壊した。


一番最初に暗黙の了解を破ったのは、和男だったか、徹だったか、もしかしたら姫子だったかもしれない。


いずれにしても、一人いなくなり、二人いなくなりして、家族全員が揃う機会は全くなくなった。




それは仕方ないことだと、和男は思う。


いずれそうなることは、間違いなかったはずだ。


広幸は中学の野球部に入り、日曜も練習や試合、姫子はバイト、早苗は広幸の試合の応援に必ず行ったし、高校の時の和男はほとんど家にいなかった。


きっと誰のせいでもなかった。

徹は段々仕事が忙しくなり、日曜日も仕事や出張に出掛けた。

晩酌で飲み過ぎて、酔っぱらった父の説教じみた話に、みんなが辟易していたことも事実だ。



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