サンデー。
姫子の朝
母の声で目を覚ます。
それが姫子のいつもの習慣だ。
だが、すぐには起き上がれない。二度寝しそうになる睡魔の誘惑と戦い切って、約15分後に起き上がる。
それも、いつもの習慣だった。
起きてすぐに携帯のメールをチェックする。
友達からのメールは一通り目を通すが、返信はしない。
とりあえず朝は、そんな時間はないのだ。
飛び出すように部屋を出て、一階へと階段を駆け降りる。
キッチンで母と姉が朝御飯とお弁当を作ってくれてる。
「朝からドタドタうるさいねー、あんたは。」
「そうだよ、姫子。もう少し静かに降りてきなさい。」
姫子が朝のあいさつをする前に、母と姉が料理の手を止めずに言う。
「あは。ごめんね。」
姫子は素直にそう謝ると、洗面所へ向かう。
こんなやり取りも、いつもの事だった。