サンデー。
「あはは。冗談だよ。早く行かないと遅れるよ、兄さん。」
何秒かの沈黙を姫子が破った。
「ははは・・・・じゃ、いってきます。」
渇いた笑いを残して、徹は姫子に背中を向け、ドアに手をかけた。
「いってらっしゃーい!」
ドアを開けて出ていく徹に、姫子は明るく大きな声で言った。
「姫~!ご飯たべなさ~い!」
キッチンからの母の声に
「はぁーい。」
姫子は素直な返事をした。
キッチンのテーブルの自分の席に座り、朝食を食べる。
姉の早苗も座って朝食をとっていた。
「ねえ、徹兄さん、なんか顔色悪くない?」
姫子は早苗に話しかける。
「そーお?」
早苗は怪訝な顔で答える。
「兄さん、仕事忙しいの?」
「最近いろいろとね。」
「体、どっか悪いんじゃない?」
「大丈夫よ。体強いんだから。」
「そうかなぁ?」
姫子は納得いかないとゆう風に首をかしげた。
その姫子の様子を見て、少し苛立った感じで早苗が言った。
「大丈夫よ!父さんだって一度定年して給料下がったんだから、今度は徹さんに頑張ってもらわなくちゃ!ウチだって楽じゃないのよ。働かなくちゃいけないのに、働かない奴もいるし・・・。」
「早苗!ちょっと言い過ぎだよ!」
母が早苗を止めた。