サンデー。
「はいはい。わかりました。母さんは和男に甘いもんね。」
早苗は吐き捨てるように言うと、壁の時計に目をやり、
「あっ!いけない!広幸起こさなくちゃ。」
そう言って二階へ上がって行った。
「姉さん、最近なんだか怒りっぽいくない?」
姫子は母に問いかけた。
「早苗だって疲れてるんでしょ。広幸の受験のこともあるし・・・。」
母はあまり気にしてない様子で答える。
「ふぅーん。」
姫子は少し考え込むような素振りを見せたが、すぐに立ち上がり、
「ごちそうさま!」
と言って、二階へ向かった。
「今日、バイトあるの?」
背中に問う母に
「あるよー!」
階段を跳ねるように昇りながら、明るく返事を返した。