サンデー。
和男は人生のほとんど全ての時間を、この家の中で過ごす。
そんな生活になってから、もう半年以上は経つ。
慣れてしまえば快適なもんだと和男は思っている。
みんなが出払った平日の昼間は、家の中には、母と、姉の早苗と、和男しかいない。
母がお稽古事に行き、早苗もパートに行ってる時などは、完全に和男一人だ。
そんな時は、堂々と一階のリビングへ降りて行き、大画面のテレビを観ながら、ビールを飲んだりしている。
そんな時間こそが、和男にとっての貴重な至福の時なのだ。
夕方には、母や姉が帰ってくるので、その前には自分の部屋へ戻る。
リビングには、食べたものやビールの空缶がそのままなので、和男がそこにいたことは明らかにわかる。
面倒ということも理由の一つだったが、和男は片付けることを、あえてしなかった。