サンデー。

家族との会話は、無い訳ではない。話しかけられれば、話はする。

姫子や徹は、時々、和男の部屋にもやってくる。
そして、他愛のない話をして帰っていく。

夕食も家族と一緒に食べる。
サラリーマンである父と徹は、帰りが遅いので、母と姉、妹の姫子、甥っ子の広幸、そして和男の5人の食卓である。

食事をしながら、話もする。それも話しかけられれば、話すといった程度だが。


自分は俗にいう゛ひきこもり゛とは違うと、和男は考えていた。


ひきこもりは、家族との接触も拒み、自分の部屋からも出ないものだと思っていた。



「じゃあ、お兄ちゃんはニートだね。」

姫子が悪気もなく言ったことがあった。


納得はいかなかったが、そっちの方が近いだろうという気がした。




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