─不良が愛した女の子─
「なあ…」
瑠威の切り出しにみんなか瑠威を見る。
「莢架…これからどーする?」
その声に静まり返る俺たち。
「…まず、アイツを片付けねえと」
隆哉が言ったアイツとは
莢架を苦しめたあの日の男のこと。
「俺が思うにアイツは
どっかの組織だと思う」
蓮が言った言葉に
「俺もそれ思った」
と言った。
「あと…クスリやってる」
「やっぱりな」
つけたした瑠威にまたもや
隆哉が賛同する。
「俺が殴ったとき、
目の焦点合ってなかった」
瑠威が莢架を助けてる間に
俺はアイツを相手していた。
その時にわかった。
あいつの目の焦点が
合っていないことに。
だから次々と繰り出してくる拳も
ひとつも俺に当たらなかった。