─不良が愛した女の子─
俺はサクサクと音がする雪を
めんどくさく思いながら進んだ。
「どこまで行くんだよ」
と隆哉がずんずん進む大樹に
向かって言うと大樹は
ベンチに向かってしゃがんでいた。
「おいっ、大樹!!」
大樹は黙っている。
不思議に思ったみんなは
大樹に駆け寄った。
大樹の視線の先のベンチには
小さな女が震えながら寝ていた。
その女には雪が少し積もっていて
足を見ると靴なんか履いてなくて
裸足のままだった。
よく見ると服も制服のままで
短いスカートにワイシャツだった。
こんな真冬にやべえだろ。