─不良が愛した女の子─
すると亜朱佳ちゃんは
いきなりバッとその場に立ち
俺たちに向かって頭を下げた。
「お願いします…!
あの子を…莢架を…っ
助けてあげてください!!
莢架が笑った顔なんて
もう見れないと思ってました…。
けど…っ、最近瑠威さんたちと
いるようになってから、少しだけ
前よりも明るくなったんです!!
…だから…お願いします…!
瑠威さんたちになら莢架を
助けられると思うんです」
そう言う亜朱佳ちゃんに俺は
「亜朱佳ちゃん、ありがとな。
莢架のそばにいてくれて。
あとは大丈夫だから」
そう言うと亜朱佳ちゃんは
また頭を下げてから
保健室を出ていった。