─不良が愛した女の子─
朝、教室に入ると
いつもいるはずの亜朱佳が
まだ来ていないみたいだった。
いつも早いのにな…
不思議に思いながらも
あたしが席についたとき
──バシッ…
「いったあーっ」
後部に強い痛みを感じた。
あたしがバッと振り返ると
大あくびをする蓮がいた。
「えっ!?なんで!?」
あたしがビックリすると
「瑠威に頼まれたんだよ…。
ったく…めんどくせえな」
そう言う蓮に嬉しくなった。
あたしは自分の気持ちに気づいてなかった。
あたしは蓮に嬉しくなったんじゃなくて…
心配してくれた瑠威に
嬉しくなったことに──…