─不良が愛した女の子─
それからあたしたちは
普通に授業を受けて放課後になった。
あたしがいつも通りに
教室を出ようとすると…
「莢架…っ」
と亜朱佳に呼ばれあたしは振り返った。
「ん?なに?」
亜朱佳はあたしを優しく包み込んだ。
「莢架…もう離しちゃダメだよ」
え…?
「亜朱佳?何言ってるの?」
「瑠威さんたちは
きっと莢架を救ってくれる」
瑠威…?
「亜朱佳…?」
「あたし…知ってたよ?
莢架が楽しそうに瑠威さんたちと
登校してきてるの見たから…」
「…っ」
あたしの目からは涙が流れた。