─不良が愛した女の子─



──ガラ…



そんな音をたてて開いた玄関。



「あらっ?瑠威?」



いきなり可愛らしい声が聞こえた。



でもあたしは瑠威の後ろにいるから
なかなか見えない。



「おう、姉貴。
親父いるか?」



おっ、お姉さん!?



あいさつしなきゃ!!



そう思って前に行こうとしたら



──ドンッ…



「…った」



瑠威がちょうどよく振り返って
あたしは瑠威の固い胸筋にぶつかり
見事に尻餅をついた。



「あ、悪い」



瑠威がそう言って
あたしに手を差しのべた。



あたしがそれを掴もうとすると──…











「きゃあぁぁぁぁぁあ!!」












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