─不良が愛した女の子─
いきなりお姉さんが発狂して
瑠威を押し退けると
あたしにズンッと近づいた。
あたしはあまりの驚きにビックリした。
あっ…
あいさつしなきゃ!!
「あああああのっ、初めまして!!
成瀬 莢架といいます」
あたしがそう言うと瑠威のお姉さんは
急に満面スマイルになって
「可愛い!!瑠威、この子何!?
欲しい!!一緒に寝たい〜っ」
そう言ってあたしを抱き締めると
お姉さんはあたしりスリスリした。
いやいやお姉さん??
一緒に寝たいって…
あなたはあたしを
抱き枕にでもする気ですか?
「ああ、後でくれてやるから
今は離せ」
と瑠威が言った。
いやいや瑠威?
くれてやるんですか?
てかあたしに拒否権はないわけ?
「あ、あの…あたしに拒否権は──…」
「ない」
「ねえ」
綺麗にお姉さんと瑠威がハモった。