─不良が愛した女の子─
「ですよね…あは、は」
あたしの顔は引きつっていた。
その時。
「おや、その子が
莢架ちゃんかい?」
そう言うと極道の人みたいな
がたいのいい人がでてきた。
「え…あの…」
あたしが混乱していると
その人ははっはっは!!と
豪快に笑って歩み寄ってきた。
「莢架ちゃん、よく来てくれたね。
瑠威の父です、よろしくね」
そう言って笑った瑠威のお父さん。
あ…
笑うと目が似てる…
「あの…成瀬 莢架です。
よろしくお願いします…」
あたしが挨拶すると
瑠威のお父さんの手が
優しくあたしの頭を撫でた。