─不良が愛した女の子─



笑顔が見たい



いつからかそう思うようになった。



「姉貴、ベッド借りるぞ」



「いいよ」



俺と姉貴は二階へ向かった。



ベッドに寝かせると
莢架が眉間にシワをよせて


「る…い」



と呼んだ。



まただ。



夢の中で独りなんだ。



俺は莢架の髪を撫でながら



「莢架?俺はここにいる」



そう言うと莢架の手から
力が抜けていった。











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