─不良が愛した女の子─



「莢架、送る」


「えっ!?」



俺がそう言うと莢架は
バッと顔を上げた。



「家に送る」



俺がもう一度言うと
莢架は首を横に強く振った。



「いやっ!!帰りたくない!!」



莢架の目からは涙が流れた。



「莢架?」



「いやっ、いやなの!!
帰りたくない!!いやあ…」



そう言って泣き崩れた。



「莢架、何があった?」



俺の問いかけに莢架は顔を上げない。












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