─不良が愛した女の子─
莢架side
温かい。
安心する。
こんな感じいつぶりだろ。
あたしはそんな感じの中
眠りに落ちた──…
─────────………
────────……
「莢架ちゃーん」
近づいてくるアイツ。
「いやっ!!来ないで!!」
逃げるあたし。
「そんな子には
お仕置きだよお」
そう言ってアイツはニヤッと笑うと
タバコに火をつける。
そして──…
──ジュ…ッ
──────────……
─────────……
「いやああああああっ」
あたしはガバッと起き上がった。
「莢架!?大丈夫だ!落ち着け!」
そう言って抱き締める男。
いや…っ
触らないで…!
「いやあっ!!離して!!
ああ───…っ」
バタバタと暴れるあたしを
男は離そうとしない。
「莢架!!」
あたしはその一声で正気になった。