─不良が愛した女の子─



莢架の目から涙が零れた。



どうやったら莢架を救えるのか。



せめて夢の中でも…



「莢架…」



俺が呼ぶと莢架はそっと瞼をあげた。



「…ん、瑠威…?」



「泣くな」



自分が泣いていることに
気づいてないのか首を傾げる。



「瑠威?」



俺はそっと莢架の涙を拭った。



「あっ、あたし…」



笑えよ。



さっきみたいに
笑顔を見せろよ。



笑ってて欲しい。











「笑わせてやる──…」












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