─不良が愛した女の子─
それから数時間が経ち大樹が起きて
連絡を入れると
俺たちは診療所に向かった。
───────────………
─────────……
───────…
──ガチャ…
「親父〜、
診てほしい子がいるんだけど」
「あ?大樹か」
大樹が入り口を開けて
大声で言うと臣吾さんが
奥の部屋からヒョイッと顔をだした。
「臣吾さん、久しぶりです」
俺も軽く頭を提げると
「おお、瑠威もいたのか」
そう言って笑ってくれた。
「で、誰を診てほしいんだ?」
さっそく本題に入る臣吾さんに
大樹は莢架を前にだした。
「この子」
「あっ、あの初めまして!!
成瀬 莢架と言います」
莢架はそう言って頭を提げた。