─不良が愛した女の子─
「可愛い子じゃないか」
そう言って臣吾さんは
莢架を迎えた。
「いえっ!そんな」
「はっはっは。
今日はどうしたんだい?」
優しく聞いてくる臣吾さんに
莢架は気まずそうに俯いた。
「えっと…」
莢架は言いにくいに違いない。
「臣吾さん、根性焼きなんだけど」
俺が言うと臣吾さんは
莢架の様子を察してくれたようで
「そうか、痛かったな。
診てあげよう。
こっちにおいで」
と優しく微笑んだ。