─不良が愛した女の子─
──サク…サク…
また雪がちらつき
新しい雪がサクサクと音をだす。
「…寒いね」
そう言う莢架の足取りは重くて
帰りたくない。
そう言いたいようだった。
────────────………
──────────……
────────…
しばらく歩いてあの公園についた。
公園をボーッと見つめる莢架の瞳に
光なんかなくて何かに怯えていた。
「あの時…助けてくれてありがとう」
そう言うと莢架は笑った。