─不良が愛した女の子─



「あたしはすぐに止めようとしたけど
女じゃ敵うわけもなくて。
あたしも殴られた。
でもお母さんを守れるなら
それでいいと思った。
あたしはその日、全部を知ったの。
お母さんがアイツからお金を貰う代わりに
体を売っていたこと。
その関係がだいぶ前から
続いていたこと。
何で気づけなかったんだろう。
そう思った。
こんなに長い間、
お母さんは耐えていたんだ。
そう考えたらあたしが
守ってあげなくちゃって思った。
あたしが初めて汚れた日はその日だった」



そう言った莢架の体は震えていた。













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