─不良が愛した女の子─



あたしの震えに気づいたのか
手をギュッとしてくれた。



「怖いのか?」



「……」



怖い。



あたしはコクンと頷いた。



「なんかあったら連絡しろ」



と小さな紙をもらった。



そこには瑠威のと思われる
ケータイ番号と
メールアドレスが書いてあった。



あたしがバッと顔を上げると
瑠威は微笑み



「大丈夫だ」



と背中を押してくれた。



うん。



大丈夫。



そう思えたあたしは単純?



あたしは瑠威から貰った紙を
ギュッと握り締め
震えが止まった体を玄関に向けた。













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