─不良が愛した女の子─
あたしの目に映った光景は
悲鳴を上げるお母さんの体には
明らかに増えた根性焼き。
アイツの手にはタバコ。
そして複数の男たち。
「な…に、これ…」
あたしはその場にストンと
座り込んでしまった。
「莢架ちゃん、おかえり〜。
莢架ちゃんが逃げるから
お母さんこんなことに
なっちゃったんだよお」
と言ってニヤッと笑うアイツを
どうしようもなく
殺してしまいたくなった。
あたしがいない間に
こんなことになっていたなんて…
後悔と瑠威、大樹、隆哉、蓮に
会いたい気持ちが押し寄せる。
いや…
助けてよ…