─不良が愛した女の子─
近づいてくるアイツを
ドンッ!!と押し倒して
あたしは二階へ逃げた。
「待てやコラァッ!」
追いかけてくるアイツ。
殺される──…!
そんな恐怖があたしを襲い
何度も何度も転びそうになる。
──ガチャ…バタンッ!
あたしはやっとの思いで
部屋に逃げ込むと鍵を掛けた。
「るっ…い…っ
大樹…隆哉…蓮っ」
みんなの顔が頭に浮かぶ。
──バンバンッ…
「開けろやあっ!!」
「瑠威…大樹…隆哉…蓮…っ」
助けて…
助けて…
助けて…
恐怖と焦りがあたしを襲う。
あたしは震えながらも
さっき瑠威から貰った紙を
ポケットから取り出した。