─不良が愛した女の子─
やっと莢架の家についたのは
5分後だった。
家に入ろうとしたら
「「「瑠威!!」」」
と呼ばれて振り返ると
大樹と隆哉と蓮が
追ってきていた。
「一人で行く気かよ!?」
と大樹は俺にキレた。
「あ?」
眉間に皺を寄せる俺。
「相手は族かもしれねえんだぞ!!」
族(ぞく)とは暴走族やヤクザのこと。
俺だって考えた。
「なんでお前ら…」
俺が言うと蓮が舌打ちをして
「おら、行くぞ」
とめんどくさそうに行った。