─不良が愛した女の子─
「バカ…」
俺が言うと莢架はまた笑って
「バカとは何よ〜。
あのね…ありがとう」
と言うと俺の肩に顔を埋めて
首に腕をまわした。
「あたしね、さっき抵抗したよ。
いつもなら
『ああ、もういいや。
死んだら楽になれる。』
そう思ってたのにね。
聞こえたの。
瑠威と大樹と隆哉と蓮の声が。
その時、『ダメだ。いや。』
って思ったの。
だからあたし抵抗したよ。
怖かったけど瑠威たちがいるから
大丈夫だって思えた。
ありがとう。」
そう言う莢架の声は涙声で
本当に怖かったんだ。
と改めて思わされた。