─不良が愛した女の子─



「バカ…」



俺が言うと莢架はまた笑って



「バカとは何よ〜。


あのね…ありがとう」



と言うと俺の肩に顔を埋めて
首に腕をまわした。



「あたしね、さっき抵抗したよ。
いつもなら
『ああ、もういいや。
死んだら楽になれる。』
そう思ってたのにね。


聞こえたの。
瑠威と大樹と隆哉と蓮の声が。
その時、『ダメだ。いや。』
って思ったの。


だからあたし抵抗したよ。
怖かったけど瑠威たちがいるから
大丈夫だって思えた。


ありがとう。」



そう言う莢架の声は涙声で



本当に怖かったんだ。



と改めて思わされた。













< 99 / 201 >

この作品をシェア

pagetop