愛してください
「眞弘くんも一緒?」
ほら、また出た。
隣の眞弘をいやらしい目付きでじろじろと見る。
「はぁい…。」
いかにも茶化したいという雰囲気だ。
隣の眞弘はけろっとした顔をして、繋いだ手を離そうとしない。
「お邪魔だよねぇ、うちら!ほら、真矢帰るよ」
弥生先輩は真矢先輩の制服をつまみ、あたしと眞弘に笑顔を向けた。
「それじゃ、帰るね。お邪魔してごめんねぇ。ばいばい!」
「さよなら。」
真矢先輩は茶化し足りないとでも言うような、子どもがおねだりするときの顔と一緒だ。