煌めきの日が来る。
煙草を揉み消して、斎場の中に戻った。


祭壇のお母さんは、遺影の中だけで笑ってる。


じっとその笑顔を見つめていたら、今まで我慢していた涙が出そうになって。


「架恋」


そうやっていつものようにあたしを呼ぶ声が聞こえた気がして、家族控え室に転がり込んだ。


寝なきゃいけない、泣いたら駄目だ。


必死に目をつむっていたら、不思議と眠りに落ちた。
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