さよならは、あたしから…
あたしは慌てて涙を拭いた
あなたは顔の前で手を合わせて
謝っている
ミホちゃんは
タッタと教室に入ると
「あっ!ナオさん
こんにちは」
あたしを見て微笑んだ
あたしも軽く会釈
本当に…可愛い子だな
あたしなんかより何倍も
何の屈託もない笑顔に
あたしの胸は締め付けられ
出かかっていた言葉を
飲み込んだ
そのかわりに
「もう帰ったら?
あたし後やっとくからさ」
強がってみた
無理して笑顔を作ってみた
「いいよ、もうちょっとだし」
そんなあなたの優しさに
ときめいてみた
でも中途半端な優しさなんて
いらないよ…