さよならは、あたしから…


屋上の扉を開けると


まだ少し肌寒い風が


熱くなった頬を冷たくする


「風…気持ちいいですね」


綺麗に澄んだ青空にむけて


大きく両手を広げる


ミホちゃんの


後ろ姿を


何も言わず見つめた



「卒業おめでとうございます」


振り返ったミホちゃんは


いつものかわいい笑顔


それを言うためだけに


わざわざこんなところに


呼んだわけじゃないでしょう?


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