さよならは、あたしから…
教室の扉が開く
静かなシンとした教室を
見渡した瞬間
心臓が一気に跳ね上がった
窓際の席に座り
頬杖を付く
「ナオキ…?」
その声に反応し
あなたがゆっくり
振り返った
「ナオ!?」
あなたは驚いたように
あたしをジッと見つめる
「泣いてるの?」
いつも笑顔のナオキの涙
「泣いてねーよ!」
そう言って制服の袖で
涙を拭くアナタ
「てかここ、覚えててくれたんだ」
そう言って
あなたは
笑った
その笑顔は…
あたしの大好きな笑顔だった