さよならは、あたしから…


「ナオ…

ここに来たって事は

あの日の約束

覚えてくれてるって

思っていい?」


そう言ったあなたの笑顔は


あたしの大好きな笑顔で


もう…涙腺が限界だった


あたしはあなたを


抱き締めた


「忘れるわけないじゃん」


ここはあなたに初めて


好きだと言われた場所


あなたと初めて


キスした場所…


「ナオキ…も

覚えて…くれてるの?」


涙で上手く言葉が出ない


あたしを


あなたは優しく抱き締め


頷く


ねぇ…ナオキ…


あたし…


期待してもいいの?



去年の夏にここで


交わした約束を思い出す


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