さくらんぼ
「それはっ、ただぼーっとしてただけだよ?」
じ――っ
伶矢が、私を疑うような目でみてくる。
「ほっほんとのこと言ってるからねっ!!」
「なんか理由あったんじゃないの?」
「とくに無いって!」
ほんとはあるけどね…
伶矢の好きな人にショックなんて言る訳ないよぉ…
「まぢでない?」
「うっうん?!」
焦りすぎて声、裏返っちゃった!!
恥ずかしい
「ふーん。じゃあ俺、告ってない?」
あ!伶矢ぜったい疑ってる…
それに
“告ってない?”
って……どうしよ返事…
正直に
“うん”
って言うか、
“なんで?”
って聞くか…
いまの私、悪あがきしてる。
1%――
有るか無いかの可能性を信じようとしてる…
自分の立場、認めよう。
悪あがきは無駄だよね?
私は
“うん”を選んだ。