私しか知らない秘密のあなた
すると、彼は観念した様子でため息をつき、
「そうだよ。僕は藤宮由。それがどうかしましたか?」
と言った。
やっぱり。
やっと彼を見つけた。
ずっと探してた。
彼を見る度に、心臓が物凄い音を立て壊れそうになる。
喉が渇き、何回も唾を飲む。
自分が今まで言いたかった事…。
『あの時はごめん。助けてくれてありがとう』って…。
何回も、何回も練習したのに、なかなか言い出せなかった。
そして、私は全然それとは関係無い事を言ってしまった。
「なんでここを知ってるの?」